作成日:2025/07/04
【BLOG】コンフォートゾーンの罠:「失敗しない」ことのリスク
変化の激しい現代において、多くの日本企業が「なぜ思うように成長できないのか」という課題に直面している。デジタル化の波、グローバル競争の激化、働き方改革の必要性...。経営陣は「変わらなければ」と口を揃えるが、実際の現場では思うような変化が起きていない。新しい取り組みを始めても、いつの間にか元の状態に戻ってしまう。
この現象の背景には、私たちが気づかないうちに築き上げてきた「見えない壁」がある。それは制度や仕組みの問題ではない。もっと根深く、私たち自身の意識と行動パターンに潜む問題だ。
完璧な戦略や計画など存在しない。実際に行動して初めて見えてくる現実がほとんどだ。しかし、日本の多くの組織では、幼少期からの「失敗してはいけない」という刷り込みが、深く根を張っている。その結果、トライ&エラーに対しては「理屈では分かるが、実際は避けたい」という本音(総論賛成・各論反対)が支配的になっている。
職場に漂う「絶対に失敗できない」という空気感!これが最大の成長阻害要因だと感じる。なぜなら、失敗を学習機会として捉える組織文化を持つ企業は驚くほど少ない。
さらに、問題を複雑にしているのは、私たちの思考パターンそのものだ。慣れ親しんだ環境から一歩踏み出すことへの抵抗感、新しいアイデアや取り組みに対して、まず「できない理由」を探してしまう習性。これらが組織や個人の成長曲線を平坦にしている。 結果として、多くの日本企業が「安定だが停滞」という罠にはまり込んでいる。