作成日:2025/06/10
【BLOG】日本人の「静かな退職」現象の真因とは
米ギャラップ社の調査によると、職場と積極的にエンゲージメントしている日本人はわずか6%で世界最低水準となっています。バブル期には世界一の競争力を誇った日本企業ですが、現在は67カ国中38位まで低下しました。
日本人のエンゲージメントが低いのは、良い感情の連鎖が起きていないからです。むしろ、人を萎縮させ、前向きさを失わせる負の感情の連鎖が起きています。社員は目の前の仕事に埋没し、タコツボ状態で周囲との関係が希薄化しています。コロナ禍がこの傾向を加速させ、人との関わりを避ける働き方が定着しました。
その結果、半数近い社員が「静かな退職」状態にあります。これは積極的に仕事の意義を見出さず、”必要最低限の業務のみ”をこなす働き方を指します。
心の中では、退職しているのですが、実際には辞められないため、淡々と仕事を続けているのです。
職場では「仕事が面白い、職場が楽しい、会社が好きだ」と子どもの前で堂々と語れる人はわずか1割程度しかいません。多くの社員は本音を言わなくなり、困ったことがあっても自分で抱え込むしかない状況に追い込まれています。日本人特有の周囲への気遣いが、かえって互いへの遠慮を生み、孤立を深める結果となっています。
重要なのは、エンゲージメントの低さは、社員一人ひとりの意識や努力不足が原因ではないということです。モチベーションが個人の心から生まれる感情であるのに対し、エンゲージメントは関係性の中から生まれる感情です。
つまり、社員と仕事との間、社員同士の間、社員と会社との間に、良い感情が行き交う関係性を組織が築けていないことが根本原因だと考えられます。