BLOG 未来は今日にある!
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作成日:2023/09/01
【BLOG】失われた30年の実相!競争力を生み出せない社会



失われた30年!と言われて久しいが、現状はその状況があまり改善されているようには見えません。日本企業の特徴的な雇用制度である個別企業における「終身雇用年功共助モデル」とは、終身雇用制度と年功序列制度を組み合わせたものを言います。

終身雇用制度により、企業は正社員として採用した新卒者を定年まで雇い続けます。社員はOJTによる研修や教育を受け、会社にとって最適と思われる部署へ配属されます。その代わりに企業側は経営状況が厳しくなっても、労働者の解雇やリストラを極力行わないようにします。

また、年功序列制度は、会社が幅広い雇用分類や職位を設けて給与体系を作り、それに基づいて社員に給与を支払います。社員の給与は基本の初任給から始まり、勤続年数や職位が上がるにつれて給与も上がります。

失敗が許されない社会がネックとなり、ひとつの会社で数十年働けば、他の会社で新しく働き始めるよりも高い給与を獲得することが出来る仕組みになっているため、終身雇用年功共助モデルは、結果的に労働者の転職を抑制することになります。

しかしながら、このモデルを偏重するかぎり、産業、企業、そして個人の再編や退出は行われず、他諸国から見れば、企業の退出率や労働者の失業率こそ低い数字になっているものの、労働市場における改革は進まず、時代の変化に応じた新陳代謝が起きにくい現状となっています。

現在、国が進めている生産性向上や人材流動化を軸に置いた政策〜働き方改革や人的資本経営、リスキリングなどはこうした足元が変わらないまま、本格的に機能するのだろうか?という疑念は絶えず付いて回ります。

ユニクロのCEOである柳井正氏が言う「大事なのは環境」という見方から考察すれば、いまの日本人の多くは「自分のキャリアは自分で創る」という自律的なマインドセットが生まれる環境があまりにも整っていません。

また新卒一括採用、年功序列、終身雇用という「メンバーシップ型」では、「ジョブ型」とは異なり、勉強しても報酬や待遇という形でその見返りが期待しにくいとも言われており、これらの要因が他の先進国と比べて、日本人が社会に出てから勉強しないことに繋がっているとデータにも如実に表れています。

失われた30年の実相!競争力を生み出せないシステム(仕組み)の弊害!
ここは覚悟を決めて、多少の痛みや不安を乗り越えて改革を進めなければ、新規事業やイノベーションの創出、ベンチャーの誕生といった虫のいい話は、これから先も厳しいように思います。他方、デンマークのフレキシキュリティのような人材流動化の受け皿となるセーフティネットの構築も併せて考える必要があるのは言うまでもありません。私も経営者の一人として、淘汰の時代と対峙すべく、自らの信念や目標を見失わず、スタッフと協力しながら、様々な変化に対応できる柔軟性や適応力、そして組織全体のスピード感やチャレンジ精神を高めることにより注力したいと思います。





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