作成日:2020/09/15
【BLOG】コロナ禍で顕在化されたコミュニケーション問題
社内コミュニケーションは、組織ビジョンの浸透を通じた社員の活性化や、会社が社員の考えや意思を傾聴することによる心理的安全性の確保を実現するために重要な役割を担うものであり、不確実な状況において特にその役割を発揮します。
新型コロナウイルスによる働き方への影響を目的として実施したサーベイでも、「従業員の仕事における課題に対処するため、会社はどのような支援を行うべきか?」という問いに対する回答で最も多く挙げられたのは「会社からのコミュニケーションによるサポート」でした。
社内コミュニケーションを通して組織と従業員の間に共通する意識やマインドセットを確立することは、よりよい組織と従業員の関係をもたらし、高いエンゲージメントにもつながります。
しかし、多くの企業では、ワーク・エンゲージメント(仕事に対する前向きな心理状態)の向上や従業員と組織の関係強化の部分において、コミュニケーションが担う役割を軽視してきた傾向にあり、さらに、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う唐突な在宅勤務の導入によって、コミュニケーションの機会はさらに減少しているものと思います。或る総合転職支援サービスが実施したアンケートでも、今回の感染拡大によって、テレワークに移行した人のうち、66%がコミュニケーションの変化を感じており、その中でも60%もの人がテレワークになってから、コミュニケーションの総量が減ったと回答、また16%もの人がコミュニケーションは、ほぼなくなったと回答しています。
このような状況の背景には、コミュニケーションは業績にさして影響しないという甘い認識があることや、そもそも社内の関心が低かったりすることなどがあると考えられます。オフィスという人々が共に働く物理的環境や、毎日オフィスに出勤して顔を合わせて話すという行為など、今までの当たり前が少しずつなくなる中、従業員は、組織への帰属意識や心理的安全性を高めることが難しい環境下で就労を強いられています。そんなときに組織は、今一度「従業員とのコミュニケーション」を見直すことで、従業員に寄り添いながら、自社で働くことの意義を改めて認識してもらう機会を持つことが求められるのではないでしょうか。